山形漆掻き日誌-1  

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第1回 2005.6.15

今年、山形にある大学恩師の自宅庭で漆掻きを行うこととなりました。僕が4年前に岩手県浄法寺町で研修を受けた漆掻き技術を未熟ながら恩師と仏像修復を行っている先輩と後輩二人に伝達する為、6月から11月まで定期的に通う予定でおります。

今月6月は11日から19日まで滞在し、11日の山入り・目立て(鎌付け)、15日の上山(二辺目)、19日の三辺目をキズの入れ方、使用する道具の説明・使い方、漆掻きシーズンの流れ等を説明する予定でいます。

そして、11日の山入り・目立て(鎌付け)は無事に終了いたしました。
山入りとは今年採取する漆の木を選び、四日山で回るプランをたてる事です。

庭に植えてある木は30本 位あり、その内の太くなった5本を選びました。5本は今回は四日に分けず、一日でまとめて採取し、中三日空けて採取して行くことにしました。

そして目立てという、木にキズを付けていく際の基準として小さなキズを付ける作業を行いました。このキズからは漆は採取しません。あくまで位置決めと木に刺激を与える事、キズ口周辺に樹液である漆を集める事が目的になります。


今後、恩師が毎年少しずつ採取していく計画のはじめの一歩となります。今年は僕も久し振りに漆掻きをする経験が出来るのでとても楽しみにしています。


第2回  2005.6.21

二回目のキズ付け(辺付け)、上山(あげやま)を行いました。天気はとても良く雨の心配はありませんでした。

浄法寺町で漆掻き研修を受けた際の木の本数は200本でした。本職の掻き子さん達は1年で400本から500本掻きます。

掻き子さんは朝から晩まで目一杯採取し、一日で採取出来る本数はだいたい100本位になります。漆の木は一度キズを付けて採取したら3日休ませてから再度採取します。毎日漆を掻く為には100本の4倍となります。総本数を4分割し4日で回ることを四日山(よっかやま)といいます。

今回山形では5本掻きますが、一日で全てキズを付けていきます。そして基本的には中3日から中4日間空けて 今回は本数が少なく1時間弱で採取は終えられるため、水分量のバランスを考え10時位から採取することにしました。

そして二辺目から初めて漆の採取を行います。キズの長さは2cm位、木がまだキズを付けられる事になれていない為、弱らないようにキズの中心から手前半分しか樹液を採取しません。そのため採れた漆は極少量です。

            第 3回  2005.6.24

山形で今回掻いている漆の木は比較的樹皮が薄く感じます。そのため漆鎌で皮を削るのが楽です。そもそもここの漆の木は新潟の掻き子さんから苗木を分けてもらい庭に植えたそうです。早いものでは8年位で太い所が12cm位まで育っている木があります。土が良く陽当たりも良いからでしょうか。


さて、今回は三辺目の漆掻きです。この日も大変天気が良く、梅雨の最中とは思えない暑さでした。この日は日曜日ということもあり見学者が多く賑やかでした。


二辺目から中三日、本来でしたら掻き始めたばかりのこの時期では休みが足りないと思います。

今回は自分が山形に滞在できる期間内で恩師と先輩・後輩のみなさんにキズの付け方の実演を見てもらう回数と、実際に掻いてもらいながら随時指導できる機会を作るため中3日の強行日程で漆を掻きました。
 

 

さらに心配な点があり、二辺目を掻いた次の日は天気が良くなく、日照時間も少なかったため光合成も足りなかったのでは?と心配していました。しかし実際掻いてみると思っていたより樹液が出てくれましたが。

夏場の盛漆を沢山取りたいので次の四辺目まではしっかり休みを取り、7月20日前後までの初漆を木に負担をかけないように採取できればと考えております。



 

第 4回  2005.7.20

辺掻きというのがあります。6月半から9月一杯に辺付け(キズを入れる事)して漆を採取する掻き方を言います。

浄法寺では上げ山から梅雨の終りまでを初辺、梅雨明けから8月一杯までを盛辺、9月の一ヶ月を末辺と言い、それぞれで採れた漆を「初漆」、「盛漆」、「末漆」と呼びます。しかしこれはあくまで浄法寺での目安であり、以南では末辺が10月にかかったり、その年の天候で左右されます。


今回は7月の漆掻きを見てきました。7月17日で七辺目となります。前日は雨の予報でしたが幸いにも天気が良く、当日も朝からどんどん気温が上がっていきました。関東も梅雨が明けたそうですから初辺最後の漆掻きになったと思います。


六辺目までの漆掻き状況ですが、梅雨時期であった為、一週間近く間隔が空く時もあったようです。

しかしその分しっかり休め、回復した後に漆を採取してきたようです。そのお陰で木は弱らず、キズにも慣れた感じで今日に至り、夏場の盛漆採取が楽しみになってきました。
 

今回の漆掻きでは大学恩師とその奥様、息子も駆け付け、さらに大学の先生方やその奥様、赤ん坊、学生等と計12人(4家族)も来てくださいました。その方々を前に僕が簡単に漆掻き作業を説明・実演し、皆さんに実際に掻いていただきました。


写真は大学恩師の息子(9才)の漆掻き作業です。キズの深さ、長さも丁度良い感じでした。


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