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工房探訪記

 

第6回 小西美術工藝社 

2006年6月28日

田中勝重工房  目白漆芸文化財研究所 金沢卯辰山工芸工房   輪島漆芸研修所  小林宮子漆芸教室 小西美術工藝社

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2006年6月28日、東京で今年初めての夏日を記録した梅雨の
切れ間の暑い日に、小西美術工藝社さんの鎌倉の作業現場におじゃまいたしました。

リンクもさせていただいている小西美術工藝社さんは、曾祖父の七世 泉清吉の頃からの長いおつきあいであり、小西美術さんの本社は私の家のお寺さんのある東京タワー近くの高輪にあります。よく通るところです。いろいろなところの寺社のお仕事をなされ(HP参照)、近くでは日光東照宮があります。


今回は、泉清吉刷毛の3寸刷毛を、


「ぜひ、普段使っているガッチリと接着する麦漆を使用して巻込作業をして欲しい」

 

とのご要望があった為と、わたくしが以前から作業現場を拝見させていただきたかったからです。3月には前々からお誘いしていただき鎌倉まで行きながら も時間不足で行きそびれてしまっていました。

現在は蓮田から鎌倉まで直通の湘南新宿ラインが通常にあり、1時間40分で行けます。便利になりました。今日の鎌倉も天気が良いのでにぎやかです。観光客相手の人力車がたくさん走り回っています。

八幡宮の正面には幕で覆われた修繕中の「舞殿」の工事現場がありました。遠足でしょうか、学生さんも一杯です。 左


中に入れていただき、早速、巻込作業の準備にとりかかりました。

使用することになっている「麦漆」は、米糊と小麦粉の混ぜ合わ
せたものということですが、ものすごい粘りです。わたくしの使用
する糊も小麦粉にタピオカをまぜてある特製でかなりのものです
が、これは、何かキメが細かくしかも強力な感じです。

わたくしは職長の森田さんの名前を頂き思わず「森田漆」と名付けてしまいました。

作業前には、生毛、中国産人毛、日本人髪毛使用の古かもじをご覧いただき、さらに油分の抜け方の違いを直接触れて確認していた
だきました。今回、巻込作業をさせていただく泉清吉刷毛と他の刷毛の違いもハッキリとこれでご理解いただけました。

巻込作業は、3寸刷毛なので良く締まるように力一杯、しかしネジレ、ソリが出ないように慎重に行い約2時間かかりました。 下

 


 

漆塗り、というと、掃除の行き届いた小部屋に籠もってチリを出さずに塗るものと思ってしまいますが、ここは暑い寒いの自然の空気の中、しかもダダダッ、ガガガッと建築工事も行われています。足場のパイプも組んであ ります。上を向いての塗りもあります。その中での塗りです。


それで、この仕上りですから見事なもの!

思わず森田さんに「すごいですね。この場所でこれだけの塗りとは!」と言ってしまいました。やはり、小西美術工藝社さんの長年の技術の蓄積はすごいものです。

 

この舞殿で普段作業をしている方々は、職長の森田さん、そしてお若いけれどとても熱心な女性4人さんです。

小西美術さんの会社には女性の方がたくさんおられるのです。女性社員寮もあります。職長の森田さん「皆、熱心で根性もありますよー」

周りには、手入れの行き届いたヘラや砥石、鉋、定盤などがあります。これを見ても良いお仕事をしているのがわかりますね。

塗師包丁など、使い込んで短くなっています。良く研いであります。

← 後列左から 福田さん・佐藤さん・内藤さん


← 前列 左 森田職長さん 泉清吉

巻込作業後、見学のお礼を申し上げ、梅雨明けのような日射しの中、八幡宮付近を後にして、にぎやかな小町通りを抜けて鎌倉駅に向いました。

この刷毛が完成したら、また、各地の立派な寺社をよみがえさせる貴重なお仕事のお役に立つのかと思い、良いお手伝いをさせていただいてしまい有り難いものだなぁと電車の中でつくづく思いました。

小西美術工藝社の皆様お忙しい中有難うございました。

← 後列  右端 薄さん

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